6月:★1★ 欲にまみれる夜 #2

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唇の端が齧られて、痛みを持つ。 味わう余裕も与えずに、私の両手を拘束すると、硬いマットレスの上に私の身体を落とした。 鈍く軋むスプリング。 足立は着ていたTシャツをもどかしく脱ぎ捨てて、私の顎先を細い指先で持ち上げた。 「優しくなんか抱かないからな」と、足立は宣言する。 私の肌の上を、これからメスを入れる場所を探すように眺め始めた。
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