6月:★7★ 危険な取引 #2

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6月:★7★ 危険な取引 #2

大股で闊歩したが、絨毯の柔らかな毛並みのおかげでヒールの音は消し去られた。 ステージをバックにして、席に座る彼らと向き合う。 彼らの座る背後には、真っ赤な椅子が整然と並べられた壮大な景色が広がっている。 アーチ状にせり出た二階客席は、こちらへと迫るようにしてステージへと睨みを利かせる。 燃えるような赤に統一されたこの劇場は、今は我々だけだったが、あと数時間後には観客でいっぱいになる。 そう考えると、この空間をたった5人だけで使うなんて贅沢だ。
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