6月:★8★ 危険な取引2 #2

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6月:★8★ 危険な取引2 #2

これで茂木と私は同じになった。 「よろしくな」 茂木は満足げにほほ笑むと、真っ赤な枡に残された日本酒を啜る音を上げて飲み干した。 淡い橙の天井の灯りを映す板に置かれた、濡れ光る枡は、ショースペースのようだった。 その空っぽの箱に残るのは、どんな欲望なのだろう。
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