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足立は、私の頬に手を当てて、瞳の奥を覗きこんだ。
周囲には、人が溢れかえっている。
目の前の女が、誰のものでもない俺のものだと、此処にいる人々に見せつけたがっている。
「あなたと城崎さんとの立場は違う。
私と付き合うっていう意味、判ってる?
本部の人間に媚を売る足立響希、そう噂が立ってもいいの?」
でも彼は、ゆっくりと人の視線を引き付けるようにして、顔を近づけていった。
「そう云うお前こそ、俺を手懐けようと、
本部のイヌとして俺に抱かれてるって噂されるかもよ?」
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