8月:★21★ 秘密 #3

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「わかった。わかった」 壁際にかけられていたタオルを取り、彼の濡れる指先を拭う。 水色の縁取りがされたタオルは分厚くて、全ての指先を拭っても、さほど湿り気は感じない。 手の中で握りしめたまま、引き出しをぱたりと閉じる。 「ねえ繭香。俺たち一緒にならないか?」 その言葉に、「うんいいよ」と言えずに、言葉が彷徨った。
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