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その申し出は、ずっと恋い焦がれていたこと。
それに妻である私は、幾ら、一緒にいない期間が長かったとしても、例え、愛が消えていたとしても、夫を裏切るわけにはいかない。
現に北山は、「迎えに来る」という言葉をちゃんと守ったのだ。
道徳上にも、これ以上足立と付き合うことは許されない。
道徳上? そんなもの私、守ったことあった?
自分で自分の放った言葉をせせら笑う。
「もう終わりなのよ、夢の時間は」
私へと言い聞かせるように、そう呟いた。
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