エンディング ーTAKE A BOWー #2

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「懐かしいね」 繭香がすぐ隣で零した感想。 懐かしい。という単純なフレーズでは収まらない感情が湧き上がっていた。 溢れかえる感情に耐えきれず、繭香から離れて、洗面所へと早足で向かう。 ⭐︎ 男性用化粧室の洗面台に手をつき、大きく息を吐き出した。 案外、えぐれた傷は深くて、此処は想い出が多すぎる。 かつての自分の場所が、もう自分の場所ではなくなったことに、感傷的になっている。 だからと言って、決して進んだ道に、後悔はしてない……はずだ。
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