終着駅

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「アホか」 「真剣っす!」 「真剣に言うんがアホだって言いよんよ」 そう言って先輩は、両手を俺の腰にまわした。指の感触にどうしようもなく誘われる。 うっすら開く唇に、吸い寄せられるように舌をねじこんだ。 もれる息が甘くて、甘くて。 陶酔した眼差しに、この先を期待してしまう。 「先輩も半勃ち」 遠慮がちに俺が指摘すると、「文句あるんか」とすごまれる。 「ないっす」 「耳、赤ぇ」 ふっと弛む表情が、耳に触れようと伸びてきた指が、スローモーションだった。 先輩のスボンに手をかけ、中のものに触れた。
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