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ゆっくり撫でると、先輩の吐息のかかる場所が暖かくなり服を隔てた肌を湿らせた。
「サトル…」
「はい?」
「幻滅せん?」
「…なんでですか?」
「俺、男やし」
いつも冷静で、自信に溢れていて、男らしい先輩の、弱音のような当たり前の確認に、きゅーんと胸が痛んだ。
やばいやばい、落ち着け俺!!
「男のユウジさんが好きなんです」
手の中のものは硬く、先走りが伝う。
「名前知らんのかと思っとった」
「ハラダさんが下の名前で呼び捨てやけん、めっちゃ焦りました」
「なんそれ…焦るくらいなら呼べや」
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