第1章

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だいたいのゲームでは、最初の案内人を攻撃する事が出来ない。その結果、この案内人が最大の敵として現れる事が、多々ある。でもそれも仕方がない事だ。だって主人公は最初、武器を持ってないし、楽観視しているのか余り警戒していないから。 でも僕は違う。だって、こうして武器を持っている。 僕は、案内しようと背を向けた女の口を塞ぐと、包丁を突き立てた。呻き声を上げる女を、廊下の壁に押さえ付け、更に包丁で深く抉る。女の呻き声が止み、塞いだ手に息がかからなくなるまで、執拗に抉り続けた。 その時、奥の部屋から物音がした。チャイムが鳴って応対した女が戻らないので、誰かが様子を見に来ようとしているのだろう。 僕は血で汚れたウインドブレーカーを脱いで、それで手を拭うと、包丁を背中に隠して物音がした方に向かった。
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