第1章

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ピンポーン チャイムの音が聞こえた。それに、母親の声が応える。宅配便でも来たのだろう。僕には関係ない。 僕はまた、パソコンに向かう。途中までやっていたゲームが余りに駄作で、それに対してレビューを書くところだった。 ありきたりな脱出ゲームというのもあるが、それでもよくこんなクソゲーを作れたもんだ。僕だったらもっとスゴいゲームを作れるのに……。 勿論、そのままの文章を書くつもりはない。もっと高尚な文章で、扱き下ろすつもりだ。 カタカタ、カタカタ。 僕がキーを叩く音だけが、部屋の中に響く。 いつもの僕だけの空間。 僕だけの世界。 誰にも邪魔される事なく、僕は、僕が神のこの世界で、仄明るく光るディスプレイに向かって僕の力を示す。いや、示していた。 窓の外の大きな話し声に、邪魔される迄は。
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