第三章 ヒットマン

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             1    千葉北署の刑事課の面々は、それぞれの捜査を切り上げ捜査本部へと戻ってきた。  当然ながら、県警の捜査員も同様である。  これは、捜査本部の柿崎による招集の為。日も暮れて、ここで一旦各々の捜査状況の報告を受けたかったようだ。  とはいえ、現場周辺での聞き込みでは。特に、新たな情報は得られていない。  そこで、北方が報告する。  葉北建設の城崎から得た情報である、建築業界のフィクサー能見の存在について。その名は、既に報告されている。しかし城崎の話しで、能見のきな臭い実情が推測された。  それを、推測である前提で報告する。  柿崎としては、その存在を知っていながら裏の部分の詳細までは知らなかった。いや、それを知る人間自体、今や建築業界でも少ないのかもしれない。  彼の裏がどうであれ、政治家相手の捜査となれば慎重にならざるをえない。
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