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それはまるで、和泉からの犯行予告があったなら。そのような言い回し。少なくとも、松本にはそう聞こえた。
考えてみると、事件の発生直後から酒出は、酒口と松本を寄せ付けずに単独行動を取っている。
和泉からの接触があり、事件を予見していた。
それを柿崎にも報告せずに、一人でここまで捜査していたという事か。松本は、信じられないといった目で、酒出を見つめながら言う。
「警部補。まさか、和泉からの犯行予告が……」
「勘ぐるなよ、菊乃ちゃん。奴からの接触は、今のところはねぇよ。確かに今回のやり口は、奴らしくねぇと思えるもんがある」
「では、和泉の関与は無いと」
「その白黒は、まだ付ける段階じゃねぇだろうがな」
酒出の言い回しは、やはり含みのあると受け取れた。現段階で断定は出来ないが、和泉の関与の可能性は低くは無いとも受け取れる。
その根拠が、何かあるようにも聞こえた。
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