第三章 ヒットマン

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  「ですから警視は、廃業した冷凍工場などを中心に調べさせたそうです。しかし、そうした工場のどこも、一ヶ月に遡り稼働していなかったそうです」 「まぁ、そうだろうな」  酒出は、そうした松本の切り返しですら、予測済みとばかりにそう言って頷いた。  そこで、松本の隣で酔い潰れかかっている酒口を揺すり。彼のスマートフォンをジャケットの内ポケットから出させた。  彼の携帯電話は、事件捜査中に半分は酒出の私物と化す。  酒出自身、最近スマートフォンに機種変更している。本人はそのつもりは無かったが、人気機種という事もあり酒口と同じスマートフォンとなった。  勝手知ったる他人の携帯電話。  酒出は、持ち主の酒口の手を取り指紋認証でロックを解除する。そして、手慣れた手付きで検索を開始する。  そして、ものの数分で検索終えると。画面を表示させたままで、松本にスマートフォンを手渡した。
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