第三章 ヒットマン

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   敷地面積は広く、建物もまだ新しいものの。設備的に、特殊な為に次の借り手が決まらない。よって操業停止直後のまま、手付かずとなっている。  今日は、中を見せる為に通電させたが。この五年、数える程しか通電させていないという。特に、この二年ほどは一度も無いとか。  話しによれば、担当者も二年ぶりに中に入るのだとか。 「冷凍室は、一階の奥になります」  担当者は、そう言って工場奥を指し示す。その手の先には、広大な工場の奥に「冷凍室」と書かれたプレートが下がっている部屋がある。  ドアの小窓から中を覗くと、十畳ほどの広さがあるだろうか。  一般家庭からすれば、そのような冷凍設備でも十分に広く思われる。しかし、広大な敷地面積の工場からすると、いささか手狭な感がしてしまう。  酒出は、その冷凍室のドアを開いた。  こちらは配電盤で操作しないと、室内は冷凍される事は無いという。
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