第1章

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ドアの前に、部屋干しの洗剤が置いていた。 家賃、一万円のボロアパート。 鉄筋コンクリートの、四階建て。 窓なしの。 無論、洗濯物は、部屋の中で干している。 自分の部屋は、401号室に住んでる。 隣の402号室は、昨日まで空き家だったが、だれかが越してきたみたいだ。 その洗剤。 ご丁寧に二本、日本酒をお祝いで出すように、のしをつけて置いてある。 多分、挨拶の粗品だろう。 遠慮なく、もらっておく事にする。 その402号室のドアポストに、会社の名刺を入れておく事にした。 その名刺に、『確かに受けとりました。ありがとうございます』と、添え書きして。 自分としては助かった。
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