第一章

13/13
前へ
/15ページ
次へ
ああいう怖い子たちに嫌われているため、私に女の子たちはあまり近づかない。 まあきっと巻き込まれたくないって言うのと… 「…いつも悪りぃな、花織。ヘーキか?」 心配そうな顔をして私の顔を覗き込む成瀬。成瀬の特徴である長い下まつ毛がよく見える。そして男にもかかわらず綺麗な肌。うん、妬けるわ。 「う、うん。よゆーのよっちゃんいか。ダヨ。オホホホホ」 …あの三人と同じで、成瀬に好意を抱いてるから私のことが憎いんだ。 成瀬とは別に何もないからいいじゃん、って思うけど。 けどけど。 私もハルヤセンパイが他の女の子と、仮に友達だったとしても、一緒にいるところ見るのは、辛いもんなあ。 「…うんうん。」 「何納得してんだよ。変なやーつ。さすがおばか太郎だな」 人がいろんなこと考えてるっていうのに、 こいつってやつはあああ!! 「…………前言撤回。許さん。」 「ヒイ~~~なんつって。元気出たな、そうこなくっちゃ」 !!… そう言って意地悪な笑顔を浮かべてべっと舌を出してウインクしてきた。 …成瀬のくせに。たまには優しいとこあんじゃん。 成瀬はそのままトイレに行った。 私はそのまま少し赤みを帯びているであろう顔を、しばらく俯いて隠していた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加