第一章

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カポッ 成瀬にもらったいちごミルクの缶を開けて、一口飲む。 ミルクが多めの甘ったるいこの飲み物は、疲れ切った頭を癒してくれる。 これで午後も頑張れるぞ~! 「実乃莉~購買行かない?」 「いーよん。そのお誘い待ってましたあ」 実乃莉は高校に入って初めてできた友達。成瀬が嫌いらしく、成瀬と私が一緒の時は近づいてこないけどとても仲良くしてる。 だが。 「…何買おう。」 「はよ決めろや」 実乃莉の言葉に焦りを覚えるが、目の前に置かれた焼きたてのパンと湯気の出そうな出来立てのおべんとを見てたら何にしようか迷う。 「……パンとお弁当どっちがいいかなあ…」 「どっちでも腹にはたまる」 ま、まあ。パンにするとして! パンだとデザートくらいのものが欲しくなる満腹度なんだよね… 「………プリンも食べたいけどヨーグルトもいい!悩む~…」 「太るぞ」 と。このように… 実乃莉は男以上にサバサバしていて決断力があって、私のような優柔不断なやつを見てるとイライラするらしい。 「なんでそんな実乃莉は決めるの早いの!」 「花織が遅いだけ~」 とっても正論。 まあこんな感じだから友達としてうまくやっていけるのだろう。
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