第一章

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何かと私は成瀬と一緒にいることが多くて、成瀬も私のところにいつも来てくれる。 でも問題は、 「…恭平くぅーーーん!!!」 「恭ちゃん!」 「成瀬くんっ!」 「「「今日はあの邪魔者いないの??」」」ニッコリ 「……」 これこれ。 成瀬はモテるのだ。意外と。ここ大事ね、意外と! まあ顔立ちもいいしサラサラの髪の毛も綺麗で背も高くて面白いしモテるんだろうけど。 彼女らは成瀬恭平ファンクラブのトップスリーのリーダー。(…らしい。) そして、邪魔者というのが… 「あれ、なんだ。いたの?」 「いつもいつも邪魔だねえ。」 「恭平くんのこと好きじゃないくせに一緒にいるもんだからとても恭平くんがかわいそうな気持ちになってしまいますわ」 「そ、そうですかぁ…あはは…」 私のことらしい。 購買から教室に戻った時とかトイレから戻った時はいつもこれだ。 そんな私を無視してスタスタ自分の席に向かうのが実乃莉。それを静かに追いかける私。 そして 「俺をかわいそう扱いするくらいならどっかいってくれないか…」 沈んだ顔で三人にそう言った成瀬。毎度毎度お疲れさんだこと…。 「アッラー!ごめんなさいそんなつもりじゃ…」 「全く何言ってるのよ… また来るわね恭ちゃん♪」 「じゃあね成瀬くんっ」 チラッと三人に目をやると、 「……フンッ」 「!……」 スタタタタタタ… リーダーらしき人の目はとても怖かった。まあ案の定、という感じだけれども。 何はともあれ、嵐は嵐なりに早く去ってくれたみたい。
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