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『相宮駅~相宮駅~閉まるドアにご注意ください~』
「…っと。今日も無事に降りることができました。感激」
「いや普通だからな。」
ていうか邪魔!と言いながら私の背中を押し(というか人ごみに押され紛れて押してきている)、エスカレーターを上る。
エナメルバッグを持った人や肌がこんがり焼けている人など、いかにも運動部には入ってる系の方達は筋肉の付いた足でヅカヅカとエスカレーターを歩いて上っていく。
うん。やっぱり運動部はかっこいい。
その人たちに続いて私や成瀬も歩いて上る。
私たちの高校の最寄駅は相宮駅。
はっきり言って何もない。最大の救いであるジョナ○ンやサイ○リアなどといったファミレスがあるというだけで。
「はあ…疲れた…まじうちら運動不足」
「オイッ!俺をおまえと一緒にすんなよ」
改札を出て学校に向かって歩いていく。桜並木の木たちは青い葉っぱで覆われている。
夏休みが終わった今、その葉っぱたちは秋に向けて色を染め直そうとしているところだ。
私はこの駅が好き。
なぜなら…
「…おっとっと。ほら花織!いたぞ、なんとかハルヤセンパイ」
「あ……」
そう。毎朝必ず、“大好きな人”に会えるから。
「今日も見れて幸せ……」
「そろそろ話しかければいいやん。ほんとおばかやな~」
ちがうよ。見てるだけだから幸せなんだよ、本当に。
私にとって、神様のような存在なんだから…
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