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「…って…え?!」
怒鳴りながら睨みつけた相手は長身で少し赤みがかった髪色の同じ制服で同じ高校であろう男子生徒。しかもバッジの色的に一個上の学年…。
そしてその横にいたのは、色白で華奢な体をした淡いピンクのワンピースのよく似合うショートヘアの先ほど私にわいせつな行為をしてきていた女の…… って…
「え!!?男!?!」
センパイであろうお方が腕を掴み身動きを封じていたセクハラ女らしきやつは男であった。
「…ってーよ!離せこの野郎!」
「車掌さん、この人です。私は先ほど連絡しましたカミキです。」
「いやあホントに助かりました…君の連絡のおかげで警察も呼べましたので後はお任せください。本当にありがとう!」
「いえいえ。」
私にはよく分からない会話を交わしたセンパイは会釈をするとセクハラ女(男?)を車掌さんと警察の方に引き渡された。
『…次の電車は08:32発、一番線~…』
私たちの降りた電車はとっくのとうに鳥野駅を出発し車掌さんたちが去った今、静まり返ったホームに次の電車が来ようとしていた。
「……っあああああーーー!!ち、ち、ちこく!!!入学式なのに…」
初日から遅刻とはついてない。
そして痴漢されたことに関して自分がこんなにも無関心でいられることが不思議だった。
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