第1章

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「ふぁ~ぁっ」 男は欠伸をしながら玄関を出た。 扉に鍵を掛けていると、 カン、カン、カン 階段を昇ってくる音が聞こえた。 一階と二階に三部屋ずつ、自分しか住んでいない場所。 「誰だ?」 音の先へと目をやる。 音が止まり、現れたのは長い黒髪に黒いドレスの女。 「こんにちは」 小さな声で女から声を掛けてきた。 「こんにちは……」 男も、不似合いな場所に現れた女に戸惑いながらも挨拶を返した。
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