第1章

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バイトから帰ると、隣の部屋には灯りが点いていて、自分の部屋に帰って弁当を食べて晩酌。 「あっ……ん……」 色っぽい声が聞こえて、壁に耳を当てる。 麻薬のようだった。 そんな日が幾日も幾日も続き、 「声だけじゃダメだ…… 見たい!」 欲望が限界を超えた。 男は自分の部屋を漁り、 「な、なにか…… 何かないか……」 一本の釘と金槌を見付けた。 「こ、これで……」 長い長い釘を薄い壁に当て、金槌で コーン、コーン ゆっくりゆっくりと打ち付ける。 女にバレないよう、少しずつ少しずつ、数日に分けて打ち付けた。
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