第1章

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「お待たせ致しました!」 丁寧にお辞儀してくれるのはありがたい。 ありがたいけど、 今はそんなこと求めてない。 何でこんなに遅い時間から引っ越しなんかしてるの。 バタバタして、近所迷惑だし。 「すみません!  一緒におりていいですか?」 辛うじて笑顔は作っては見たものの、 私の不愉快指数は、最高潮に達していた。 しかし、怒ってもバイトに間に合うわけではない。 ギリギリになって仕事に向かう私が悪いのだから。 一階に着いた私は、 猛スピードで駅に向かった。 「駆け込み乗車は、お止めください」 ギリギリで、予定通りの電車に乗れた。 さっきまでのイライラが嘘みたいに吹き飛んだ。 私って単純だな。
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