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みんな笑っている。でも、ヒカリちゃんだけが首を傾げて、不思議そうにしている。 「どうしたのヒカリちゃん?」 僕は声をかけた。 いつもなら真っ先にシーモネさんに乗っかって僕をいじりそうなのに、それもない。固まっている。 明らかに様子がおかしい。 「あのさ、ビールマンさんたちって、三人で来たの?四人でなく?」 ヒカリちゃんが聞いた。 「どういう意味?」 「〒♪@℃$※☆、だー、な?」 シーモネさんとビールマンさんが、同時に返す。ヒカリちゃんは、いつになく真面目な顔になった。 そして叫ぶ。 「みんな散って!階段を降りてくる人が、魔法を唱えてる!」 !? 同時にヒカリちゃんがリンさんのローブの裾を引っ張って、階段とは逆方向へむけて走り出す。マサさんは拳を構えた。 アルファベッツの三人は、ヒカリちゃんの指示通りに各自距離をとった。その瞬間。 ゴウッ 空気を焦がす音とともに、暗闇から放たれた炎の塊が、シーモネさんを吹き飛ばした。
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