ある子供の独白

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今から大分昔、日本にあったとある場所で一人の男と僕はであった。 男の名前は微風安里(そよかぜあさと)といい、 安里は僕の中にあった力に気づいていた。 僕は大きな建物に連れていかれそこで安里と暮らし始めた。 安里は毎日決まった時間にテストを行い何かを書き記していた。 「何を書いてるの?」僕は尋ねたが、 安里は「お前は知る必要はないよ、知っても意味ないしね。」と言ってはぐらかすだけだった。 僕は薄々気づいていた、僕を使って安里が何かをしているってことを。 でも僕は知らないフリをしていた。 だって、その方が安里は優しく接してくれるから。 安里が僕に笑いかけるとき…僕と遊んでくれるとき… それが僕が退屈な建物のなかにいる時の唯一楽しみだったことだ。 そしてだから僕はテストに黙って従った。 そのあと色々な事を安里が語っていたけど…僕には難しくて理解できなかった。 …………ずっと、この楽しい日々が続くとそう思っていた。 僕には居場所が…安里がいるって。 でもある時…その建物が化け物に襲われた。 しかも化け物は僕を探しているように僕のいるところだけを襲った。 僕を警備していた人も、僕のカウンセリング?をしていた女医さんも。 みーんな殺された、惨殺された。 そして化け物から僕は逃げて安里のところに行った。 けど…安里は僕を捕まえた。 そして化け物に僕を渡す代わりにみんなを助けるように懇願した。 僕は見捨てられたんだ。 そう理解するのに時間入らなかった。 でもなんでかな、記憶がその時戻って自分がどうするべきか少しわかった気がした。 だから僕はしたがった、化け物に手を引かれてそこを出る前に僕は安里に言ったんだ。 「また…また遊びたいな安里。 いつか会えたらその時は…また遊ぼうね?」って。 安里は困ってたけど僕は振り向かずに化け物と共にそこを出た。 出ていくときに思ったんだ。 この力が…みんなにもあったらいいのにと、 そうすれば僕の考えてる遊びがみんなにもできるから。 だから…時間がたってもいい。 この力を…みんなに広めて、 いつか…みんなで遊べたら…僕は幸せなんだろうな… そう僕は考えていた。
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