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静かになったあと、俺は頭をあげて状況を見る。
電気は消えてしまって周りは地下鉄にある電気のみが明かりとなり電車の中は薄暗くなっていた。
そして他の客も気を失って倒れてしまっていたりしているなかで、
俺は小吉と猪原さんが倒れていた。
竹「いてて…!!
おい二人とも、大丈夫か!?」
小「ってててて…なんとかね…生きてるよ。
って、なんだこりゃ…ひでぇ光景だな…」
猪「うぅ…わたしは大丈…ヒッ!!」
猪原さんは大丈夫と言いかけたその口を多い俺達の後ろを見て恐怖で顔をこわばらせた。
俺達がなにかと思って後ろを振り向くと先ほど走り抜けた2両目への入り口が完全に潰されてしまい、
その瓦礫の間に血まみれの手や人の上半身。
そしてこちらを見たまま息絶えた人の死体があった。
猪「そ、そんな…こんなこと…うっ!?」
猪原さんはその光景を見てしまったショックで近くで空いていたドアから身を乗り出してそこで嘔吐していた。
俺もあまりにも現実離れした状況に言葉がでなかったが、
俺は猪原さんを見て踏ん切りをつけて彼女のもとに歩み寄る。
そして背中をさすりながら猪原さんに優しくいった。
竹「…猪原さん。
落ち着いて…と言うのは少し酷かもしれない。
だから、こんなところに長く居ないで早く地上に出よう。
外の空気を吸えば少し落ち着けるかもしれないし。」
猪「うぷっ…は、はい。
ごめんなさい。」
竹「謝らないで。
小吉、今からここを出る。
そこの扉が空いてるからそこから出れるはずだ。」
小「あ、あぁ。
幸い携帯はライトは使える。
それにここは俺の知ってる線だから…この電車の向かってるとこに歩けば駅にはつくはずだ。
隼人、猪原さんを支えてくれ。
俺がライトで照らすから。」
竹「分かった。
さぁ、猪原さん。
立てる?」
猪「は、はい。大丈夫です。
……もう、落ち着きましたから。」
俺は小吉にそう指示して猪原さんを支えるように歩き始め、
俺達は電車を降りて線路をあるきだした。
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