隣人当選

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 俺は山田トオル。入社3年目のサラリーマン。職場での営業成績はビリ。いつも上司から怒鳴られており、皆からお荷物扱いをされている。まあやる気もない。  そんな俺だが、彼女が出来たときのためにと見栄を張り、ちょっといいマンションに住み始めた。しかし一向に彼女はできず、今や生活費を圧迫するだけのカネ食いマンションと化していた。  寝て起きてを繰り返すだけのマンションへ、いつもの様に酔い潰れ朝方に帰ってきた。  マンションの入り口に引っ越し屋のトラックが止まっていたが、そんなことは気にせずに自分の部屋へ向かう。すると、引っ越し先は自分の部屋の隣だった。 「隣かよ、なんか面倒くせー」  愚痴をこぼしながら、千鳥足で通路においてある段ボールをよけ自分の部屋に向かった。 隣の部屋の前を通るときにドアの隙間から中が見えたが、隣人の姿は見当たらなかった。  まあ関わることもないし、どうでもいいかと思いながら自分の部屋へと入った。 「ふぅ、今日も飲みすぎた」   部屋に入るとすぐにタバコに火をつけ、ソファーに深く腰を掛けた。
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