第二章 相思花を君に

11/52
前へ
/143ページ
次へ
お風呂から出ると美鈴は「拓海さん、あの、狭いんですけど私のベッドでいいですか。」と聞く。 加賀見は嬉しそうに「勿論ですよ。美鈴さんの傍ならどこでもいいですよ」と言うと美鈴の頬にキスをする。 加賀見を美鈴の部屋に案内する。 美鈴の可愛らしい女性的な部屋を見て加賀見は「可愛らしい部屋ですね」と一言いう。 美鈴は顔を赤くしながら「少し恥ずかしいですけど、このベッドで待っていてくださいね。今、冷たいお茶を持ってきますね」と言うと美鈴はキッチンへと行く。 その様子を見ていて、可愛いと思う加賀見は微笑んでいる。 美鈴が来るまで、美鈴のベッドで横になる加賀見は、美鈴の残り香を嗅いでいた。 人の出会いというものはどこにあるかわからないものだと思っていた。 この町に来て曼珠沙華を見に行かなければ美鈴とは出会う事はなかっただろう。 モデルを頼まなければここまでの仲にはなれなかっただろう。 隣に引っ越ししなければこういう事にはならなかっただろう。 運命というものを感じる加賀見だった。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加