第二章 相思花を君に

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美鈴は、ドキドキしながらも、「拓海さん、私の両親は今アメリカにいるんです。商社マンの父親の転勤で今アメリカにいているんです。来年にはもう帰ってくる予定です。 私の両親も拓海さんをみればきっと喜んでくれるはずです。基樹が大丈夫でしたから」と言うと、クスッと笑う。 「そうですね。基樹君が許してくれているみたいだから、きっと大丈夫ですね。それでは、来年君のご両親が帰ってきたら結婚式を上げましょう。それまで待てますか。」と優しいまなざしを美鈴に向けて聞いてくる。 美鈴も加賀見を見つめながら、「はい、待てます。」 「それでは、それまでは婚約者ですよ。はいこれ貰ってくれませんか。」と小さな箱を手渡す加賀見の顔が照れている。 美鈴は手渡された箱を開けて中身を見て驚く。 中にはダイヤモンドの指輪が入っていたからだ。 「え、これは・・」 「婚約指輪ですよ。あなたを他の人にとられたくありませんからね。実を言うと今すぐにでも結婚したいんですよ。でもがまんしないといけませんからね」と言うと微笑んでいる。
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