第一章 曼珠沙華の出会い

14/91
前へ
/143ページ
次へ
加賀見は、真っ赤になりながら、照れて答える。 「ええ、実は今日、神社で会いまして、そこで美鈴さんにモデルのお願いをしていたんですよ。連絡も交換し合っていたのですが。まさか、お隣さんだとは知らなくて、驚きました。」 基樹は「えー姉貴をモデルですか。加賀見さんて写真家ですかそれとも画家ですか。」と尋ねる。 加賀見は、穏やかな表情で、「私は、絵描きです。今度私の個展を開くので良かったら、美鈴さんと一緒に見に来てください。」と答える。 基樹は、「絵描きさんですか。個展を開くなんてすごいですね。」と感嘆の声を上げている。 それに対して、加賀見は、少し照れながら、「いやあ、大したことはないですよ。」と答える。二人の会話の中に美鈴の声が入る。 「お二人さん。お食事の用意が出来ましたよ。さあ、テーブルに着いてくださいね。」その声を聞いて、二人はソファーから立ち上がるとテーブルへと向かう。 そして、テーブルの上に用意されている料理を見ると加賀見は、目を見張る。 「美鈴さん、お料理上手なんですね。スゴイご馳走だ。」と言うと椅子に座る。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加