34人が本棚に入れています
本棚に追加
暑い夏も終わり、秋風が涼しさを感じさせてくれるようになり、虫の音が心地よい調べを奏で始めると、あちこちで、真っ赤な曼珠沙華が咲き始める。
そんな赤く燃える炎のような曼珠沙華を見つめる瞳があった。
園田美鈴、24歳のOLをやっている女性だ。
長い漆黒の黒髪に色白の肌、唇は真っ赤な口紅を付けたように血色が良い。
美鈴は、いつも赤い曼珠沙華を見ると、心の中に眠っている自分でもわからない何かを感じていた。
美鈴はいつも近くの神社の参道に生えている曼珠沙華を見に行くのだった。
その年の曼珠沙華はとても鮮明な赤い色をしていた。
それはまるで、炎のような赤さだった。
その日休みだった美鈴は、神社に参拝すると、帰り道綺麗に咲き誇る曼珠沙華の赤さに引寄せられるように立ち止まり見つめていた。
「きれい。」と小さくつぶやく。
その時、美鈴に声をかける人物がいた。
年のころは30歳ぐらいの男性だった。
背の高い穏やかな感じのする人だ。
短髪の髪を手串でといただけのような感じで服装もラフな感じの物を着ている。物静かな感じのする人だった。顔立ちは端正な顔立ちをしていた。
最初のコメントを投稿しよう!