第二章 相思花を君に

5/52
前へ
/143ページ
次へ
封筒を受け取った美鈴は、中身を確かめた。 そして驚く。「拓海さんこれ多すぎますよ。こんなにいただけません」と目を大きく開いて言う。 基樹が「姉貴いくらなの」 「10万円」 基樹も驚く。「加賀見さんそれはもらい過ぎだよ。姉貴返さないとだめだよ」と言う。 加賀見は「いいんですよ。美鈴さんこれで私が君の事を養えると証明できるから」と言う。 加賀見は断固として譲らなかった。いつもやさしい加賀見が初めて見せた顔だった。 美鈴と基樹は加賀見の顔を立てる事にした。 食事を楽しく済ませると、基樹は自分の部屋に行く。 美鈴は手際よく片づけをしていく。 その間、加賀見は美鈴をコピー用紙に書いていた。 「拓海さん待っていてね。すぐに終わるから」と声をかける。 「大丈夫だよ。待っているから」 その時基樹が二階から降りて来た。 「姉貴、洋介がさ、今日泊まりに来てくれって言うからいってくるよ。明日は大学休みなんだ。それじゃあ加賀見さんごゆっくりと」
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加