隣のアイツは殺人鬼

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とにかく、変な人じゃなきゃいいです。 よし、これだな。 謎の納得感に浸りながら、オレは玄関の前に立った。 ピンポーン 再びインターホンを鳴らす音。 そして、その鳴らし主はもうドアを隔ててすぐそこに居る。 鼓動の高鳴りは抑えきれない。 早く済ませよう。 待たせすぎてイヤな気持ちにさせちゃったらマズいし。 オレは鍵を開け、そっとドアを押し開いた。 目の前には、願いも虚しく男の姿があった。 それでも、爽やかな好青年といった雰囲気で、悪い人じゃ無さそう。 変な人じゃなきゃいいや、この際。 と、オレはグッとハードルを下げつつ 「あっ、どうも初めまして。隣に引っ越してきた方……ですよね?」 挨拶及び質問をした。 「はい。201号室に引っ越してきた、殺人鬼です。よろしくお願いします」 彼は、顔色ひとつ変えることも無く、淡々と言葉を吐き出した。
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