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【彼】と出会ったのは鷹崎セキュリティの入社式に向かう途中だった。
入社式は毎年鷹崎セキュリティ本部の大講堂で行われる。
僕も本部勤務(もっとも研修期間だけ・・・配属は不明)が決まっていた為、本部の近くの寮で3ヵ月だけ寮生活を送る事になっていた。
寮から本部までは歩いて30分。
直通のバスもあるのだが、3ヵ月とはいえ住む事になる町だし、体力には自信はある。
散策ついでに歩いて出社する事にした。
それが運の尽きだったのか・・・
入社式に出る為、スーツに身を固め、30分は早く到着するように寮を出た。
聞くところによると、鷹崎セキュリティ本部のお膝元と言う事もあり、この町の治安は日本一良いとの事だったが、なるほど・・・町の端々まで清掃も行き届いており、綺麗で住みやすそうな町だった。
歩いていると、こちらの気分まで清々しくなるようだった。
天気も良いし、こんな晴れ晴れとした気分で社会人デビューを飾れるとは・・・まるで僕の前途を祝福してくれているようだ・・・なんて、間抜けな事を思いながら歩いていた。
『このクソ共が💢殺すぞ💢』
なんて声が聞こえてくるまでは・・・
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