鳳凰伝

出会い

　朝から喧嘩かよ･･･こんな良い日に･･･なんて勝手な事を思いながら(良い日かどうかは人による)声の方向を見ると、お婆さんが1人道路にうずくまり、いかにも不良高校生という3人組が、お婆さんと自分達の間にいる中学生くらいの子を睨み付けている。
　道路にはお婆さんの荷物だろうか･･･足元に散乱している。
　大方、高校生達がお婆さんを転ばせて、注意に入った中学生を恫喝しているのだろう･･･高校生にもなって、中学生相手に怒鳴りつけて･･･仕方ない･･･見て見ぬ振りも出来ないしな。
　僕はそんな事を考えながら、彼らに近付いた。
『ガキが調子に乗ってんじゃねぇぞ💢』
『小僧は大人しくババアの世話だけしてろ💢』
　なんて声が聞こえてくる。
　あれ？おかしいな？最初に聞こえた声と違うぞ･･･なんて･･･思いながら更に近付くと『クズはクズらしく道路の隅っこをうつ向きながら歩け💢つ～か、お天道様の下を歩くな💢』そう、中学生が言い放った。
　おい！おい！いくらなんでもマズイだろ！あれじゃ完全に中学生の方から喧嘩を売っているようなものだ。
　僕は慌てて両者をなだめに掛かった。