出会い

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『え!?』 『嘘だろ!?』  どうやら高校生達も知った名前のようだ。  見ると、倒れていたお婆さんさえ中学生に向かって両手を合わせて拝むようにしている。  この地区の名士か何かの子供だろうか?  待てよ・・・鷹崎?鷹崎セキュリティの警備員を呼びつける鷹崎姓?  セキュリティのお偉いさんの息子さんとかか?  僕が訳も解らずそんな的外れな推理を展開していると、高校生達は警備員に連行されて行く。  ポカンと・・・馬鹿みたいな顔で立ちすくむ僕に向かい、中学生・・・いや、鷹崎典孝と呼ばれた少年が口を開く。 『兄ちゃん、セキュリティの入社式行くところなんじゃないの?もう間に合わないよ。車乗んなよ。状況は説明しといてあげたから。』 『え!?何で!?僕言ってないよね!?』 『そんなガタイで他に何処の会社行くのさ?歩いて行ける距離で、今日入社式やる会社なんざ、この辺りじゃセキュリティしか無いよ。しかもセキュリティって顔してるよ。』  確かに聞くと推理なんてものじゃ無いらしい。 『セキュリティって顔って・・・どんな顔だよ💧』  僕の質問に典孝君は笑顔で答える。 『お人好しの顔♪』  その笑顔はさっきまでの険しい顔ではなく、中学生らしいあどけなさが残る笑顔だった。
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