悪夢

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 そして、このアパートに暮らし始めて1年が経過……  特に気になる怪奇現象などには全く遭遇することもなく、私は日々仕事に追われておりました。出勤時に毎朝顔を合わせる『203号室』の親子(小母さんとそのお子さん)や、深夜帰宅時に偶に顔を合わせる『103号室』のお兄さん(おそらくは学生さん)。同じアパートに一緒に暮らしてる他の部屋の住居者の方々とも目立ったトラブルはなく(というか、私自身があまり積極的にコミュニケーションを取る人間ではなく、顔を合わせても会釈程度なのでトラブルなどを起こす方が難しいのですが……)多忙ながらもごく平凡な毎日を過ごしていたのです。  そう、そんなある日のことです。このアパートに新しい住居者がやってきたのは……  おっと、失念しておりました。  新しい住居者の方の話をする前にここで私のアパート住居状況の説明をしておきたいと思います。話の間が悪くて大変申し訳ございません。コメント欄で「この間抜けがッ!」と罵っていただいて結構です。ゲーム業界に勤める人間は総じてM(マゾ)なので堪らなく興奮します。  私の住んでいるアパートは3階建てで各階に部屋はそれぞれ3つずつあります。事件の起きた隣の『201号室』は未だに空き部屋のままであり、この時に埋まっていた部屋は『201号室』から離れた各階の3号室のみ。それも事件以前から住み続けている方々で、事件後に入居してきたのは私だけでありました。やはり、いくらお家賃が格安だといっても事件のあったアパートにわざわざ引っ越してくるような私のような変わり者はそうそういないということなのでしょう。 ※以下、アパートのイメージ 【301:空】【302:空】【303:●】 【201:☆】【202:私】【203:●】 【101:空】【102:空】【103:●】  ☆:事件のあった部屋(空き部屋)  ●:他の住居者が暮らしている部屋  私:私が暮らしている部屋  空:空き部屋
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