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暖かいようで、どことなく寒い。
真歩は朦朧としながら、腰回りに寒さを感じた。
腰に少し痛みを感じる。
瞼がやけに重い。
その重さに逆らいながら、ゆっくり何度か瞬きをする。
参考書とノートが何故か真横に見えてピントが合わない。
真歩はゆっくりと頭を上げた。
「私…、寝ちゃってた…?」
気怠い身体を起こしながら、自分の失態に気付いた。
向井は怒っているだろうか?
ビクビクしながら辺りを見回すと向井の姿は見えなかった。
自分の肩には向井がいつも使っている薄いノルディック柄のブランケットが掛けられていた。
あまり大きくないせいで、肩は覆えたものの、腰の辺りまではかからなかったらしい。
それで腰が寒かったのかと真歩は毛布を腰に回した。
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