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相変わらず、学内の通路には人ひとりいない。
こんな時間でも大学に居る人なんて、本当にいるんだろうか。
真歩は暗くなった校内を横目で確認しながら、裏通用門に向かう。
裏通用門の前に到着して、真歩は自分の失態を後悔した。
裏通用門はしっかりと施錠されていたのだ。
24時で閉まるんだった……!
裏通所門に近づき、施錠された門を引っ張ってみたが、さすがにびくともしない。
近くに警備員の姿はないし、抜け出せそうな隙間もない。
大学内は不審者が入れないように高い塀に囲まれているだけに、中からその塀を乗り越えるのも難しそうだ。
どうしよう…。
帰れないの……?
改めて、自分を置いて行った向井を恨んだ。
こんなことになるなら、寝かせたままにしないで起こすぐらいしてくれてもいいじゃないか。
真歩は愕然と裏通用門の前に立ち尽くす。
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