優しさ ∝ 気持ちの変化

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「な、なにして………」 「‥‥‥‥お前、何も分かってない」 「え?」 向井は手を緩めることなく、真歩を抱き寄せて、そのままソファに倒れ込んだ。 真歩は向井の抱き枕になってしまう。 「あ、あの?離して‥‥‥?」 腕の中でもがいてみたけれど、向井の腕はビクともしない。 向井はそのまま黙り込んだままだった。 向井の体温を感じるのはこれで何回目だろう。 毎度思いもよらぬ展開で、何故か自分は逃げもせずに向井の腕の中に納まっている。 でもなんでだろう。 すごく心地よい。 包み込まれるような腕の強さと体温の温かさ。 ふわふわの毛布に包まるよりも、もっと癒しを感じるような幸福感。 腕の中って、こんなにも気持ち良かったっけ‥‥‥。
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