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薄暗い数学図書館のソファで、毛布に包まって添い寝する2人。
なんだか寒い部屋で一箇所に固まっている猫みたいだなっと思ってしまう。
そのうち、スースーと一定速度の息が聞こえてきた。
も、もしかして、寝ちゃった!?
身体は向井にキツくロックされているせいで動けなくて、振り向こうとしても向井の顔は見えなかった。
仕方なく、頭の後ろから聞こえる寝息を静かに聞くしかない。
向井の寝息が心地よい子守唄のようだった。
向井の腕の中は眠りを誘うゆりかごのようでもある。
身体がポカポカしてきて、冷えていた手足にも血が通うような感覚がした。
腰の痛みも和らいでいる。
ふぅと息を吐いて肩の力を抜いてみると、心も意識も気持ち良い心地よさに吸い込まれてふわふわする。
疲れが一気に放出されてしまい、真歩は気付くとそのまま眠ってしまっていた。
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