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「え?」
一緒に過ごしたい人……?
「……………」
パッと浮かんできた顔が向井だったので、自分でもギョッとした。
いや、まさか。
そんなこと……あるわけ……。
「やっぱり。その顔は居るんだね!そっかぁ」
にこにこ顔で突っ込まれ、真歩は自分の気持ちが信じられなくて固まる。
「木戸、お前また昨晩も残ったんじゃないだろうな?」
その声にドキッと飛び上がっていた。
振り返ると、予想通り向井が立っていた。
い、いつからそこに居たんだろう?
「そのまさかですよぉ」
「お前、この後帰って寝て、また夕方に来るつもりじゃないよな?
昼間に勉強しろ」
「いいじゃないですか。向井先生だって、そうだったんでしょ?」
「一緒にするな。俺は昼間も勉強してた。お前は勝手すぎる」
「だって夜の方が集中できるんですもん」
相変わらず、冷やかさとにこやかのミスマッチ漫才が繰り広げられていた。
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