不意打ち ≒ 本音を映す

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一瞬触れた向井の胸の温かさが、抱きしめられた時の体温を記憶に蘇らせた。 俯いていた顔を上げると、向井の視線に捕まってしまう。 やだ‥‥‥。 「俺のことは気にせず、お前はひたすら真っ直ぐ歩け、真歩」 向井が今まで見せたことがない優しい顔をしたもんだから、余計に視線を反らせない。 そんな真歩の頭を向井は撫でた。 頭を撫でられて我に返り、さっき名前で呼ばれたことにも気付く。 「な、名前で呼ばないでくださいっ」 恥ずかしさが溢れて、やっと向井から視線を反らせた。 たぶん、顔も耳も赤い。 本当に、やだ‥‥‥。 なんで、こんなにドキドキしてるの?
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