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「ワン、ツー、スリーアンド‥‥」
音楽が流れるダンス教室。
森はリズムカウントを取りながら、各生徒のダンスをチェックしている。
数10名のダンス仲間が鏡の前に並び、ダンスを披露していた。
世間はクリスマス当日。
ダンス教室仲間は今日だって休む人は一人もいない。
恋人よりもダンスを優先する。
仲間たちの志は高いのだ。
もちろん自分も例外ではないから、こうしてダンスに励んでいるのだけど。
「はい!今日のレッスンは終わり!お疲れ様」
森の号令にダンス仲間たちはバラけ始めた。
真歩も帰り支度を始める。
「真歩ちゃん。今日、これから時間ある?」
帰り支度を始めた真歩に森が声を掛けてきた。
「僕、明日からしばらく休みだから、個人レッスン見てあげられないんだ。
今日これから、アドバイスしておきたいんだけど、どうかな?」
森が微笑む。
「あ‥‥えっと‥‥」
この後はもちろんいつも通り、向井に勉強を教えて貰うことになっている。
どうしよう‥‥。
でも、明日から森にダンスを見てもらえないとなると、アドバイスは聞いておきたいし‥‥。
「予定あった?」
「‥‥‥い、いいえ!アドバイス是非お願いします」
向井には遅れるってメールしておけばいいよね‥‥?
真歩は森に微笑み返した。
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