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遅れてしまった分、居残りして勉強をするのは確かに筋なのかもしれない。
でも裏通用門は0時には閉まってしまう。
そしたら、6時まではここに居ることになる。
向井の言うとおり、ソファで寝ることになるとして、前回は向井と添い寝してしまった。
今日だって、同じことになるかもしれないし、ならないかもしれない。
嫌なら、向井の言うことなんて無視して、帰ってしまえばいい。
逃げ出してしまえばいい。
でも‥‥。
だけど‥‥‥。
向井に抱き締められた心地よさが肌に蘇る。
また抱き締められたいって思ってる‥‥。
「2人で食べるのに、なんでこんなに大きい?」
向井がテーブルの上にあるケーキの箱を見た。
クリスマス用に装飾された赤い箱はなかなかの存在感がある。
「え‥‥いや、小さいと悪いかなっと思って‥‥」
「は?」
「いや、だから、その………。
こんなに遅くなるつもりはなかったんだけど、断れなくて。
これくらい大きくないと、気持ちがないみたいっていうか‥‥」
遅くなってしまったお詫びのケーキなのに、小さいと気持ちがないみたいで、出来るだけ大きなケーキを買ってしまった。
向井はケーキと真歩を見比べる。
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