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談話室に漂う緊張感と扇情感に、胸の高鳴りが止まらないのをどう表現したら良いか分からない。
向井と目が合ってしまい、思わず逸らしていた。
この後の展開を予期できないかといえば嘘になる。
向井に抱き締められるかもしれない。
もしかしたら、その先も求められるかもしれない?
下手をしたら、これって自分が誘ってることにもなるのかもしれないって思ったら、一気に恥ずかしくなった。
向井に抱き締められたいなんて、思ってる自分。
それなのに変化している向井への気持ちを認めたくない自分。
矛盾してる。
どれだけの沈黙が続いているのか分からなくなってきた。
もう3分は経ってしまったようにも感じるし、まだ1分も過ぎていないかもしれない。
緊張し過ぎて、時間の感覚が麻痺する。
堪らずまた、時計を見てしまった。
その瞬間、カシャと時計の針が0時を指した。
「‥‥‥っ!」
向井に引き寄せられて、身体がビクっとした。
身体はやすやすと向井の腕の中に納まってしまい、抵抗すらしなかった。
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