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「公園で少し休憩していいか?」
向井が自宅帰りの途中にある公園の前で止まる。
「……いいですけど」
真歩が返事をする前に、向井は公園の中に入っていった。
向井の背中を追いかけながら、足が自然とゆっくりになった。
この公園に入るのは数年ぶり……。
向井は公園内にある自動販売機に近づくと、缶コーヒーを2つ買って、1つを真歩に渡す。
真歩はそれを受け取り、近くにあるベンチに座った。
このベンチに座ったのも、あの日以来……。
数年前のことだけど、もうだいぶ昔のような気もする。
なんだか変な感じ……。
真歩の隣に座った向井は缶コーヒーのプルトップを開けて、コーヒーを飲む。
何か話し始めるというわけでなく、ただ公園の遠くを見ていた。
何故か話し掛けない方がいいような気がして、自分もコーヒーを口に入れて公園を眺める。
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