心の距離 < 身体の距離

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大学講義が午前中しかない今日は、昼過ぎから、この個人用練習室でダンスをしていた。 真歩が所属している教室は夕方からレッスンが開始される。 レッスンは週3回。 それ以外にチームを組んでいる仲間とのレッスンが週1回。 筋トレや柔軟体操などの基礎体力をつけるためのレッスンに週1回。 それ以外の時間はほぼこの個人用練習室で真歩はひたすら踊り続けてきた。 ダンス教室の仲間が通年踊ってきた時間数に比べれば、真歩の時間はまだまだ少ない。 ダンスを始めるのが遅かっただけに、毎日懸命に踊り続けても、到底追い越すことなど出来やしない。 「真歩ちゃん」 名前を呼ばれて練習室の入口を見ると、森が立っていた。 「森先生!」 「今日も頑張ってるね。どう、ステップ出来た?」 「は、はい。だいぶ……」 自信を持って言えないだけに、控えめに返事をする。 「じゃあ、見せて」 「はい」 練習室に入ってきた森に真歩は頷いて返すと、深呼吸をする。 音楽をかけて、ダンスを踊り出した。
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