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森はダンス教室内でも多くのクラスを受け持っていて、数時間おきにレッスンを教えていた。
真歩が個人用練習室で毎日1人踊るようになってからは、レッスンの合間に顔を出してくれて、真歩にアドバイスをしてくれている。
上達の遅い真歩がダンス仲間に以前よりも追いつけるようになってきたのは、こうした森のアドバイスのおかげだったりするのだ。
「うんうん!! 真歩ちゃん、いいよ!
かなり上出来!そこまでのステップは大丈夫なんじゃない?
じゃあ、次のステップに進もう」
「はい!」
森が満足そうに頷いてくれたので、飛び上がるように嬉しい。
そして、新しいステップを覚えられることで、夢への階段をまた一歩登れた気がしてしまう。
「見本見せるから、まずは見ててね」
今度は森が鏡の前に立ち、ステップの見本を見せる。
リズムカウントに合わせて、森は軽やかに手足を動かし、身体を回転させ始めた。
いつ見ても見惚れてしまう。
どうしたら、そんなに軽やかにステップを踏めるんだろう。
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